売買契約書が出来上がるまで

かつてのブラック企業は、担当営業マンレベルで見積書などの公的書面を提出してはならない、という取り決めがありました。会社として責任を担保できなくなるので、勝手に金額や契約内容を決めて先方に提出するな、ということです。まぁこれは、当然のことではあると思います。

ただ、時間がかかり過ぎるわけです。例えば、どんな商取引でも仕入先からモノを仕入れて、提案先企業に販売をする商流が生まれますが、仕入先は仕入れ見積を依頼すると、早ければ30分ほどでExcelデータで見積書が届きます。それを基に、粗利益(GP)をどの程度とるか、我々営業マンがが提出見積のベースを作ることになります。

それを、どんなに小さな金額でもいちいち会議にかけ、会議をパスしたらやっと書面作成部署に会社書式でこの見積を清書せよと指示が飛び、清書が済むと今度は、代表印の捺印が必要なので社長秘書のグループに書類が渡り、捺印が終了したものが書面作成部署に戻って、戻ったのを見計らって営業マンが書面を取りに行く、という文字に起こすとややこしいことこの上ないステップを踏みます。そのため、見積書ベースの作成から提出可能な見積を受け取るまでにかかる時間は、早くとも半日以上です。

売買契約書なんて、雛形は過去の案件でいくつも存在しているはずなのにいちいちここの文言がどうだの、前回を変えなくていいのかだのの確認も清書段階でされるので、実際はより時間がかかります。

マジメといえばマジメなんでしょうが、清書するためだけにここまでの時間をかけられては、ビジネスチャンスを逃すというものです。商社など、競合他社は五万と居るので、付加価値のひとつとして時間感覚を売りに出来なかったのは、顧客法人に「うち仕事速いでっせ!」とアピールできないということなので、相見積などを取られたりする中規模以上の案件となると、担当営業マンとしては心苦しい面もありました。


売買契約書の出来上がるステップ+1 !

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売買契約書を持っていったあと
さて、あれだけの長い長いステップを踏んでも、ときにはうちから買ってくれる顧客法人もいるわけで、そうなるとあとは売買契約書に先方の代表印をもらってくれば、それで終わり、と。まぁ売れてしまいさえすれば、そこまでにかかった時間や労力も報われるというものですが、小規模の数万円案件もあれば、超大規模な数億円の案件もあり、小規模案件でそこまで時間をかけられると、無駄なことしてるなぁと思わざるを得ませんね。今は